Tag Archives: そうですね

パパ、ugg クラシックミニ保証人って何? 」『ヒーローバンク

3月20日にセガから発売された3DS用ソフト『ヒーローバンク』. 本作を手掛けた下里陽一プロデューサーにインタビューを行った. 『ヒーローバンク』は、お金をテーマにした異色のRPG. ひょんなことから100億円という多額の借金を背負ってしまった主人公・豪勝カイトが、新時代のサイバースポーツ”ヒーローバトル”を戦い、借金を返済するというストーリーだ. インタビューでは、本作の魅力はもちろんのこと、お金というこれまでにないテーマに取り組んだ経緯や、下里プロデューサーの個人的なお金の使い方などについてもいろいろとお話ししていただいた. インタビューに応じてくれた下里陽一プロデューサー. 代表作は、セガの大人気シリーズ『シャイニング・フォース』シリーズ. あいさつ代わりに”お金”について直撃! ――『ヒーローバンク』は”お金”がテーマの作品です. ということで、まずはプロデューサーに”お金”について聞いていきたいと思います(笑). いきなりですね(笑). ――早速ですが、下里プロデューサーが今買いたいもので一番高いものはなんですか? ソフトクリーム製造機が欲しいです. あれ、100万円ぐらいして高いんですよ. 僕はすごくソフトクリームが大好きでして. ストレス発散のために、ソフトクリーム食べ放題のネットカフェで、漫画も読まずにソフトクリームを食べ続けたりしてるんです. ――それで家にも製造機を置いておきたいと. ええ. ネットで探したんですが、100万円ぐらいすることを知って「さすがにダメだな」と(笑). しかも、ソフトクリームが永久的に出てくるわけじゃなくて、材料も買わなきゃいけないのでコストパフォーマンスが悪いんです. 手が出ないけど欲しいものですね. ――宝くじが当たったらすぐに買えそうですけどね(笑). 宝くじで、もし1等が当たったら恐らく株を買います(笑). 株を買って、配当金で暮らしていくのが、僕がいろいろ考えて辿り着いた、1等の使い道なんです. すごく現実的な使い方で申しわけないんですが(笑). 安定株を買えば、配当金が月々何十万と入ってくるので、それがいいと思うんですよ. 家などを買っちゃうとあっという間になくなってしまいますから. ――1等が当たった時のことを、かなり具体的にシミュレーションされているんですね(笑). 宝くじは20年くらい前に初めて買って、「1億当たったらどうしようかな」と買うたびに毎回考えていたんです. ――20年くらい前とは、購入歴が長いですね! 最近は買うのを止めちゃいましたけどね. 確率を知ってしまったので、「これは絶対当たらないんだな」と思って… . ――何等かに当たったことはあるんですか? ないんですよ. だから止めたんですよね. 3,000円すら当たったことがないので、本当にクジ運が悪いんです. ――何年ぐらい前に買うのを止めたのでしょうか. 5~6年ぐらい前でしょうか. ただ、ずっと買っていたわけではなくて、気が向いた時に買っていただけですよ. インスタント宝くじの大人買いなんかもしたことがあります. 結局全部ハズレでしたが(笑). ――子どものころのお年玉の使い方はどうでしたか? ウチはお年玉をもらわない家庭だったんです. 親同士が協定を結んで、お年玉をあげないことになったみたいで… . お爺ちゃんお婆ちゃんが3,000円ぐらいくれたんですけどね. 小学校で年明けとかに「いくらぐらいもらえた? 」なんて話をするじゃないですか. お金持ちの子が「○万円ももらった」とか言っている中で、「3,000円です」とは言いづらくてイヤな思いをしましたね. ――小学校のあるあるネタですね. ただ、すごく恵まれていたのが、ゲーム機をよく買ってもらえたことなんです. 当時は結構高かったんですが、中学生の時にパソコンも買ってもらえました. 8ビットマシンで20万円ぐらいしたので、全然家庭にない時代だったんです. それでプログラムを組んで、自分でゲームを作ったりしていたことが今につながっている感じです. ――ゲームに関しては、ご両親のご理解があったんですね. 理解があったかはわかりません(笑). ゲームをやっていると、母親には「将来こんなの役に立たない」なんて言われていたんですよ. まさか将来、ゲーム会社に就職するとは思ってもいなかったでしょうね. ――実際にゲーム会社に就職されてから、なんと言われました? 「そんなこと言ったっけ? 」ってとぼけられています(笑). 今でも僕は覚えていますけど. ――今『ヒーローバンク』を遊んでいるお子さんが、将来ゲーム会社の道に進んだりすることもあるかもしれないですね. 僕は中学からずっとゲームで育ってきて、一応は真っ当な大人になったと思っているので、必ずしもゲームが人格に悪影響を及ぼすとは思っていないんですよ. 捉え方の問題だと思うんです. ただ、みんながみんな最初からから正しい答えにたどり着けるとは限らないので、僕ら作り手側がうまく導いていけるように、十分気を付けなければいけないです. これまでにないキッズ向けタイトルへの挑戦 ――下里さんは、これまでキッズ向けのタイトルはあまり担当されていなかったようですが、今回抜擢された経緯を教えてもらえますか? 取締役の名越稔洋が今作の製作総指揮ということもあって、名越自身がこのプロジェクトのおもしろさをすごく推していたんです. そこで「やってみようよ」と私に声がかかりまして、抜擢されたという流れです. ――キッズ向けのタイトルを担当するにあたり、苦労はありましたか? 今回はメディアミックス展開もしていまして、他メディアの担当者さんにもご協力いただいて、一緒に世界観を作っていったんです. 私も名越も子ども向けのタイトルは初めての挑戦だったんですが、他のメディアさんに経験値の低さをフォローしていただいた感じでしたね. その代わりに、私たちがゲームとしてのおもしろさを提供していくという分担で進んできました. ただ、ゲームを子どもが遊びやすくするにはどうすればという部分は難しかったですね. ――協力してもらっているメディアに、ノウハウを教えてもらったということでしょうか. ノウハウというよりは、感覚的な部分が大きいです. 大人が当たり前だと思っていることが、子どもにとっては違うんですよ. こちらが「子どもが遊ぶならこれぐらいのレベルにしよう」と思っても、実はそんなに気にすることがなかったということが多かったです. 子どもを意識して優しくしすぎると、むしろ子どもたちが遊ぶにしては未完成なものになってしまうといったアドバイスをいただきました. ――作品のテーマに”お金”を選んだことには、どういった理由があるのでしょうか. さまざまなキッズ向けタイトルが出ている中で、人気タイトルになるためには差別化しないといけないと、題材をいろいろ考えていたんです. そこで出てきたのが”お金”でした. “お金”って少しタブー視されているところがあるじゃないですか. でも、逆にこれだけ身近なものなのに題材として扱われていないということは、チャンスなんじゃないかなと思ったんです. ――”お金”という題材にはマイナスイメージも付いてきがちですが、その点についてはどのように考えていたのでしょうか. マイナスイメージにならないよう、すごく慎重に進めました. なので、キャッチコピーなども非常に気をつかったものになっています. 発売前にユーザー調査をした時は、やはり親御さんがマイナスイメージを持っていたんですね. なので、ネガティブな印象をなるべく持たせないようにプロモーションしていくという点は、とても意識しました. ――マイナスイメージを持たせない工夫としては、何が一番大きかったと思いますか? ユーザー調査をした当初は、”お金を奪う”といったイメージが強かったんです. なので、そういった要素や言葉を使わないようにしたところはありますね. 今作は”お金”を題材にして、最終的にその大切さを伝えたいということを意図しているんです. とはいえお金の大切さばかりをうたうゲームだと、おもしろみもなくなってしまうので難しいところですね. ――そのおもしろみを出す部分が、もう1つのテーマである”ヒーロー”なのでしょうか. そうですね. お金の要素を”ヒーロー”とミックスすることによって、ゲームとして王道的なおもしろさが出たんです. お金のネガティブさをなるべく軽減していきたいと、つねに思っていました. ――実際にゲームが発売されてからの反響はいかがですか? 子どもさんたちの直接的な感想はネット上ではあまり出てきませんが… 身近なところで言うと、私の妹にちょうど小学校3年生の息子がいまして、発売日から買ってプレイしているみたいなんです. その子から友だちの話を聞くと、メディアミックス展開やTV-CMが功を奏して、その子の周囲では認知されているようです. 楽しんでもらえているようなので、ターゲット層にうまくアプローチできているのかなと手ごたえを感じてます. スタッフのプロレス愛がにじみ出たバトルシステム ――バトルがかなりプロレスを意識している印象を受けたのですが、これは狙っていたのでしょうか? 今作のバトルシステムを考えていくうえで、新しいものを作りたいという想いがありました. けれど、完全新規のスタイルを短期間で確立するのは難しく、実際にあるルールをモチーフにしたほうが、ゲームとしてもとっつきやすいものになるという意見になったんです. その時に”プロレス”が挙がったことが、きっかけの1つですね. プロレス好きのメンバーが多いので、プロレスのおもしろさが必然的にゲームの中に入ってきた感じです(笑). ――おひねりをもらうためにコーナーに登るというシステムが、個人的にすごくツボでおもしろかったです. 単純に勝てばいいのではなく、観客を盛り上げていきながら最後に必殺技で勝つともらえる賞金が高くなるシステムは、まさにプロレスらしい部分ですね. このゲームはできるだけ賞金を稼ぐことが重要なので、そういった要素とプロレスは非常にマッチしていると思います. トップロープに登るのはプロレスファンにはおなじみですが、恐らくプロレスを知らない子どもたちには、とても新しいものに見えるはずです. ――主題歌に角田信明さんを起用したことは、格闘技つながりで決まったのでしょうか? 角田さんは純粋にアーティストとして起用しました. 最初に歌ができていまして、その歌を聴いた時にパワフルな声を持っている方じゃないと歌えないだろうと思ったんです. それでいろいろ探していたところ、角田さんがTV番組をはじめ各所で歌のお仕事をされていて、非常に力強い歌声が耳に残っていました. 角田さんの力強い歌声ならこの曲にマッチすると思い、お願いしようと考えました. ――格闘家としてというより、パワフルなアーティストという部分に魅力を感じたと. 弊社の営業からも「店頭でPVを流すと、男性のパワフルなボーカルのほうがお客様の耳に残りやすいですよ」とのアドバイスがあり、角田さんにお願いすることになりました. もちろん、角田さんはご存知の通り格闘家でもあるので、今作のテーマ”勝って、稼いで、強くなれ”に通じる、戦う男の代表としてもベストでした. ――今後のプロモーションで、プロレス選手を起用する予定はありますか? プロレス選手とはいずれ何かをしていきたいですね. ゲーム中のヒーローのような人が実際にいれば、子どもたちも親近感がわくと思いますし. それにプロレス選手は体格もいいですから、コスチュームを着ていただくと非常に映えると思うんですよ. コミカルさを演出するヒーロー着 ――ヒーロー着は全部で何着ぐらいあるのでしょうか? 約80種類ほどですね. 収集要素はなんとしても入れたかったので. これでも少ないと思っているんですよ(笑). なので、最低限の数は用意したという感じですね. ――ヒーロー着は内部でデザインされたんですか? 内部ですね. 実際にデザインを担当したスタッフは複数います. プランナーがラフである程度テーマを出して、何人かのイラストレーターさんに割り振ってデザインを固めていきました. エンター・ザ・ゴールドザ・ドミニオン・ダラーウオザムライ ザ・グランプリセンリョーアクターチャツミネコ ――デザインをしていくうえで気を付けたポイントは? 職業がモチーフになっているので、それをしっかりとベースにすることですね. その中で、おもしろカッコイイというコンセプトを持たせています. ただカッコイイだけではなくて、少しコミカルなデザインになることを意識したつもりです. ――そこはやはり子どもを意識してということですか? それもそうですが、他との差別化という意味もあります. やはり、オリジナリティを出していかないといけませんから. ――プロデューサーのお気に入りのヒーロー着はどれですか? そうですね… 好きなのはやっぱりカチョリーマンとつっぱり大将軍、あとはなんと言ってもセガリオンですね(笑). カチョリーマンは普通なら絶対ない設定だと思うんですよ. このゲームならではかなという気がしますね. “オジギクラッシュ”なんて、本当に哀愁漂う技ですし(笑). 今の世代のお父さんたちにも響くキャラクターではないかと. カチョリーマンつっぱり大将軍 ――体験版も遊ばせていただいたのですが、手に入るのがカチョリーマンとブチョリーマンというのはなかなかショッキングでした(笑). ブチョリーマンの印鑑を使った攻撃なども、すごくおもしろいですよ(笑). ――ヒーロー着の技も、コミカルさを意識して考えているのでしょうか? やっぱりそうですね. あとはヒーローの職業に合わせた技にすることを意識して作っていました. ――ちなみにカチョリーマンに傘を持たせたのはなぜなんですか? まあよく駅で見かける、傘を使ってゴルフをするサラリーマンのイメージです(笑). ――ブチョリーマンは恰幅のよさも出ていますよね. あと、頭の飾りはネクタイが逆になっているんですか? そうですね、逆さのデザインです. ブチョリーマンの上にシャッチョサンがいるんですが、シャッチョサンは逆に二頭身のキャラになっています. ヒラリーマンはしっかり若々しさを出してみました. 目が輝いていて、将来への希望に満ち溢れているという(笑). ちなみに社長だけはサラリーで働いていないので、シャッチョサンというネーミングなんですよ. ブチョリーマンシャッチョサン ――このあたりはかなりコミカルさが強いデザインですね. 子ども受けしやすいデザインにしています. でも体験版を遊ぶとわかると思うんですが、意外としっかり戦えるんですよ(笑). ――属性や得意な射程の関係があるので、なかなか強かったりするんですよね. 体験版では、最初にブチョリーマンを取らないとカチョリーマンとの戦いが辛いかもしれません. コラボのスタートはうまい棒から ――『ヒーローバンク』はコラボしている企業がかなり多いですが、コラボを始めようと思ったきっかけは何かあるんでしょうか? シナリオの中にうまい棒を食べるシーンが入っているんですが、当初は”うめえ棒”にしていたんです. それを名越が読んで「どうせならうまい棒にしよう」と言ったのが始まりです. そうしたら、ヒーロー着も職業がモチーフですし、何かコラボができるんじゃないかということで乗り出していきました. ――きっかけは名越さんの一言だったんですね. そうですね. “お金の大切さ”を表現する意味でも、実際の商品のほうがリアリティがありますからね. うまい棒が1本10円ということは子どもたちにも浸透しているので、いいモチーフになってくれたと思います. ――消防士や警察官のヒーロー着もありましたよね. あれも最初から狙っていたのでしょうか? 真っ先に絵を連想しやすいところと、メインターゲットのユーザーが一番身近なあこがれの職業であるところを意識していました. ――消防士などはわかりやすいですよね. 警察官がモデルのブルワッパや、消防士がモデルのファイアーマンは、中でもパッと見で職業がわかりやすいと思います. ブルワッパファイアーマン ――ピザ屋がモデルのマルギリータ、すし屋がモデルのニギリノタイショウも、子どもに馴染みのある企業ということで選ばれたのでしょうか. そうですね. ピザハットさんとくら寿司さんは、子どもたちにとってすごく身近な会社ですし、ご理解いただいてタイアップをしてもらいました. マルギリータニギリノタイショウ ――ビザハットさんは、よくタイアップをしているメーカーさんですが、くら寿司さんとのコラボは珍しいですよね. むてん丸(※くら寿司のマスコットキャラクター)は、3Dモデルとして世に出たのがこのコラボが初めてのことだったらしくて、先方はすごく感動されていました(笑). むてん丸 ――技や擬音もゲーム内でちゃんと再現されていますよね. こだわりを感じます. どのヒーロー着もこだわりを持って作ったので、随所にそれが感じられると思います. ――ちなみに企業とのコラボヒーロー着は能力的にかなり高いほうなんですか? 他のヒーロー着に比べると強めですね. ただ、強いヒーロー着は使用可能な時間が比較的短めなので、そこはうまく使わないといけません. ――ヒーロー着ランドリーのシステムは、そういったバランスを取るうえで重要な役割を持ってるんですね. なかなか難しいところではあったんですけどね. どうしても主人公の豪勝カイトの専用ヒーロー着である”エンター・ザ・ゴールド”をつい使ってしまうのですが、それだけ使ってクリアするのは実は結構難しいんです. なので、エンター・ザ・ゴールドを使いたい気持ちもわかるんですが、ヒーロー着に使用時間を設けて、必然的に他のヒーロー着に変身して戦うことを習慣づけるような形にしました. ゲームとしてのおもしろさとバランスを重視した結果、こういう形になったんです. ――エンター・ザ・ゴールドばかりにならないための工夫なんですね. それでも最後はエンター・ザ・ゴールドで勝たせてあげたいという思いはあるんですけどね. ゲームバランスとの兼ね合いがなかなか難しいところです. ゲームとは視点の違うアニメ版『ヒーローバンク』 ――アニメでは、ゲームと違ってずっとエンター・ザ・ゴールドで進んでいくのですか? 基本はエンター・ザ・ゴールドです. アニメではどちらかというと、あまり変身せずにそれぞれが持っている固有のヒーロー着で戦う流れになっています. 時折変身することもありますけど. なので基本的にはカイトはエンター・ザ・ゴールドで戦って、たまに対戦相手の属性を見ながらつっぱり大将軍に変身するといった具合です. ――アニメの見どころはどこでしょうか? ゲーム内ではあまり語られなかった、キャラクター1人1人のエピソードを掘り下げているところです. ゲームでは天野ナガレはすぐに覚醒してライバルとしてカイトの前に立ちはだかるのですが、アニメだと放送から2カ月間ぐらいは一緒に行動する予定なんです. ――結構引っ張りますね! ええ. その中でナガレのキャラクターを視聴者に印象付けていくわけです. 他のキャラクターも1話1話掘り下げていますし、アニメではゲーム内だとフォローできなかった部分を見せていく方針です. ――よりキャラクターたちにフォーカスした内容になるんですね. そうですね. もともと『ヒーローバンク』を立ち上げた時に、ゲームとアニメ、漫画でそれぞれのよさを生かそうという考えが基盤になっていましたので. ゲームのシナリオがベースにはなるのですが、それを全部なぞっただけではおもしろくないので、アニメもゲームも漫画も全部違った見せ方をしていきます. 基本的なストーリーラインと世界観は一緒ですが、内容は再編成していますので、ゲームをクリアしたほうがアニメを観る時に驚く部分があると思います. ――逆にアニメから入った後にゲームをプレイしても、新鮮な気持ちで楽しめるということですか? もちろん楽しめると思います. むしろゲームだとキャラクターの育成や、ヒーロー着の変身といった、アニメにはないおもしろさがありますからね. ――アニメの中でも、バトル中におひねりを集めたりするシーンは再現されるんでしょうか? いえ、おひねりはアニメだと出ません. アニメのバトルは、派手な技やアクションで見せていく感じです. なので、アニメだと属性なども深くは語られず純粋にアクションとしてお楽しみいただけると思います. ――かなり3Dモデリングが綺麗ですよね. バトルはすべて3Dで見せていくんですか? アニメでもバトル部分は全部3Dですね. ゲームのオープニングムービーを作った会社が制作を担当しているので、クオリティはゲームと変わらず、毎週放送するアニメとしてはかなり高いと思います. ――TVアニメでこの3Dモデリングのクオリティはすごいですよね. 相当四苦八苦していますけどね(笑). 毎週10分以上のバトルシーンがあるので、月で換算すると40分にもなります. 月単位で40分のムービーを作ることはあまりないと思いますよ. しかもバトルシーンなので、かなり大変だと思います. ――グリグリ動きますしね. さらに毎週新しいヒーロー着が登場するので、毎回新しいデザインを作らないといけないんです. 相当現場は泣いていますよ(笑). ――アニメではヒーロー着のデザインを少し変えていますか? 当然、アニメならではのモーションがあるので、エンター・ザ・ゴールドを始め、各ヒーロー着はアニメ用のデザインになっています. アニメの作家さんにベースを変えてもらっているんです. よく見比べると、ディティールの違いがわかると思います. カイト本人もそうですね. ――セガリオンはちゃんと活躍しますか? アニメ序盤に、セガリオンが出てきて戦います. 子どもたちは64ビット級パンチと言われてもわからないかもしれませんが(笑). 子どもと一緒に観ているお父さんが、懐かしさを感じてくださると思います. ――セガならではですよね(笑). お子さんと観ても楽しめそうです. 実はそのあたりも狙いがあるんですよ. 連帯保証人や借金、契約といった、子どもには難しい言葉がいくつか出てくるんです. そのあたりはちゃんとゲームやアニメの中でもなんとなく説明してはいるんですが、そこで親子の会話が生まれたりすることも狙っていたりするんです. ――子どもにいきなりそんなこと言われたらビックリしそうですね. Twitterを見ていたら30代か40代のサラリーマンの方が「今日子どもに保証人って何? って聞かれたんだけど」とつぶやいてて. さらに「何かのマンガで見たらしい」ともつぶやいてまして. そんなことをやっているのは『ヒーローバンク』ぐらいしかないので(笑). その人は「保証人ってどう答えればいいんだー! 」と悩んでいたようでして、そういう意味では狙い通りになったかなと(笑). キャストに恵まれた奇跡 ――アニメのアフレコの様子をご覧になって、いかがでしたか? 監督さんや音響監督さんからお話を聞いたんですが、アニメの最初の3話ぐらいって、探り探りの収録になるらしいんです. ただ、『ヒーローバンク』は最初にゲームでキャラクター作りがされていたので、意外とすんなり進行していきましたよ. ――ゲームとアニメの収録で、違った部分はありましたか? ゲームの時は、何も絵がない状態でボイスを入れてもらったんです. 設定画だけでイメージを作って演じてもらったんですが、メインキャラのキャストの皆さんがベテランの方なので、それでも完成度が高かったんですね. そこに、アニメで絵に動きが入ったことでよりよい作品ができたかなと思います. ――ゲームとアニメで一切ブレがないというわけですね. ブレは全然ないですね. そこはやっぱりキャストの実力なんでしょうね. 監督さんが非常に楽だと言っていました(笑). ――キャスティングはオーディションで決めたのでしょうか? そうですね. 最初はここまでベテラン声優さんばかりにお願いするつもりではなかったんですよ. TVアニメが前提としてあったので、ベテラン声優さんばかりを起用してしまうと、いざ、アニメの収録となった時に皆さんのスケジュールが合わないということがあるという話を聞いていたんです. ――では、なぜ今回の顔ぶれにになったのでしょうか. オーディションで実際に、現在キャスティングさせていただいた皆さんのボイスを聞いてしまうと、「これしかないな」と思ってしまうくらいマッチしたんですよ. なので、アニメのアフレコはなんとかしようと腹をくくってお願いしちゃいました. 中でも、財前ミツオを演じていただいた沢城みゆきさんは、本当にピッタリだったんですよ. 結果として、メインキャストの皆さんのスケジュールもなんとか調整できて、ベストなキャスティングになりました. ――奇跡的に皆さんスケジュールが合ったんですね. こんな素晴らしい声優さんたちに演じていただけて、恵まれた作品だなと思いますね. 気になる今後の展開は? ――今後コラボ企業を増やす予定はありますか? これからアニメ、アーケードゲーム、トレーディングカードゲーム、玩具と『ヒーローバンク』としてさまざまな展開がスタートしますが、コラボをするとしても、できるだけ絞り込んで、よりターゲット層の身近なところにアプローチしていきたいですね. コラボしていただいたからには、作品の中でもそれなりのポジションで出していきたいので、ターゲット層により効果的に響く内容のほうを重視したいです. ――今後ヒーロー着を増やしていくことはないのでしょうか? 先ほどの通り、『ヒーローバンク』の展開は始まったばかりなので、今後の各事業を含めた展開の中で増やしていきたいですね. まだまだやりたいことはいっぱいありますので(笑). ――まだまだ新しい展開は用意してあるということですね. そうですね. まだ詳しくはお伝えできませんが、いろいろと考えています. 『ヒーローバンク』のゲームソフトの制作を終えて、たくさんの課題とたくさんのやりたいことが出てきましたから. ――やはり家庭用ゲームの続編も作っていきたいですか? 低年齢層がターゲットで、かつ新規タイトルなので、一発で結果が出るものではないと考えています. ですので、ゲームやアニメも含めて継続して展開していきたいですね. ぜひ今のうちにゲームやアニメで『ヒーローバンク』を思いっ切り楽しんでほしいです. ――それでは、最後に電撃オンラインの読者に向けてメッセージをお願いします. “お金”という今までにない題材なので、イロモノなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、非常に王道的なRPG作品に仕上がったと思います. 子どもをターゲットにしたゲームではありますが、誰が遊んでもおもしろく、存分に楽しめるボリュームとゲーム性を持っていますので、気になったらまずは体験版をプレイしてもらって、4月7日から放送するアニメも見ていただいて、「おもしろい! 」と思っていただければぜひプレイしてください.

将棋名人戦第UGG 2013 新作3局2日目ダイジェスト

終局直後のミニ・インタビュー(午後9時50分ごろ) 対局の生中継はこちら 本局の終局時間は午後9時46分. 直後に主催社によるミニ・インタビューが行われた. その概要は以下の通り. 〈森内名人〉 ――序盤はある程度、予想された進行だったでしょうか? 「いや、急戦で来られてたんで. まあ、いろんな対策がありましたけれど、激しく行ってみようと思って」 ――封じ手のあたりでは、いかがでしたか? 「そうですね. しばらく守勢になるんで、どこまで凌(しの)げるか、と思っていました」 ――その後は、受け切りを目指されたんですが、(2日目の)お昼あたりは? (64手目)△7七歩のあたり. 「かなり駒得になったんで、やれるかなとは思ったんですが、ただ、こちら(も)形がひどいんで. 後で、ずいぶん駒を取られましたし. 難しかったような気はしますね」 ――どの辺で有利になったと感じられるか、っていう. 夕食辺りでは良いのではないか、と控室では言っていたんですが. 「そうですね. 少しずつ良いかな、とは. なかなか、でも. 最後は… 」 ――最後はずいぶん長手数になりましたけれども、どの辺で、これは勝った、というのは? 「最後、詰みがあったので、行けた、と思いましたけど. 最後の最後まで分かりませんでした」 ――途中、良いと思っていたけど? 「方針が定まらなかったですね. 入玉に行くのか、攻め合いに行くのか. ちょっと一貫性が… 」 ――最後に、福島県いわき市での対局だったんですけど、対局を終えて、そういう意味での感想はありますか? 「そうですね. ええっと. 一生懸命やって、熱戦になって良かったと思います」 〈羽生挑戦者〉 ――序盤、急戦矢倉はある程度、作戦だったと思うんですが、ある程度、予想通り行かれたんでしょうか? 「う~ん. まあ、そうですねえ. この形を、やってみようかな、と、まあ、思ったんですが、う~ん. なんかでも、結構、攻めが細かったですかねえ. う~ん. なんか、ちょっとずつ、なんか、そうですねえ. う~ん、足らないというか. う~ん、ちょっと駒損が… という展開になってしまったかもしれません」 ――駒損は覚悟のうえの戦法だったと思うんですが. 予想以上に? 「そうですねえ. なかなか、歩が利かないんで. 攻めの筋が思ったほど無かったですねえ、はい」 ――今日の夕食をとる辺りでは、どんな心境でいらっしゃいましたか? 「まあ、あの辺は(笑い)」 ――その後は、きわどい勝負にも見えたんですけども. 「う~ん. ただ、そうですねえ. やっぱり、入玉されてる形なんで. う~ん、ここという場面は無かったような気がしますねえ. 途中は、もうちょっとマシな指し方が、もしかしたら、あったかもしれないですけど. ただ、良いって感じではないですね」 ――最後に、福島県いわき市での対局ということでの感想は? 「あっ、そうですねえ. う~ん、いや、まあ、ええ. 最後まで熱戦になったんで、良かった、と」 (佐藤圭司) ■森内名人、2勝目(午後9時46分) 森内俊之名人の157手目、▲2二歩に、羽生善治挑戦者は「あ、負けました」と投了を告げた. 森内名人が2勝目を挙げた. 第4局は5月22、23の両日、静岡市で. ■羽生挑戦者、粘る(午後8時49分) 森内名人が優位に進めているという評判でしたが、羽生挑戦者が粘りを見せています. 名人が115手目▲7五角と打った局面で挑戦者が考え込んでいる. 午後8時49分現在、残り時間は10分になった. 名人の残り時間は9分. 行方八段は「名人は寄せを狙う以外に、入玉して点数で勝つという狙いもあります. ただ、名人の残り時間が少ないのが気がかりです. ここで読みにない手が出ると危ないかもしれません」と話した. 挑戦者にもチャンスが出てきているようだ. (村瀬信也) ◇ 朝日新聞デジタル有料会員は、将棋のトップページ(http://maxisaving.com/shougi/)から、棋譜中継と「ニコニコ生放送」の生中継をご覧になれます. また、対局の模様は有料の名人戦速報サイト(http://www.meijinsen.jp/)でも速報しています. ■再開し、夜戦に(午後6時30分) 午後6時半、対局が再開した. 間もなく指した森内名人の87手目は▲3一金. 後手が放置すれば▲2一金以下、後手玉を詰ませてしまうという「詰めろ」で、厳しい手だ. 休憩明けの時点で、残り時間は、森内名人が57分、羽生挑戦者が1時間26分. いよいよ大詰めだ. (佐藤圭司) ■最後の休憩(午後6時) 午後6時、最後の休憩に入った. 局面は森内名人が87手目を考慮しているところ. 名人戦2日目には、午後6時から30分間の「休憩」が用意されている. 1時間の「昼食休憩」と比べ、あまりにも短いので、「夕食休憩」とは呼ばないのが慣習だ. 両対局者には、それぞれの控室に軽食が用意された. 森内名人はサンドイッチ(ポテトサラダ、チーズ、キュウリ&フレッシュトマトの3種)のほか、紅茶とマンゴージュース. 接遇役の大橋香さんは「昨日のおやつの時、ショートケーキの横に添えたマンゴーを名人は食べておられたので、マンゴージュースをお添えしてみました」. 一方、羽生挑戦者は、おにぎりとみそ汁. 当初はサンドイッチの予定だったが、お昼ごろ、「おにぎりとみそ汁に変更してください」と申し出たのだそうだ. 具は、おかか、梅、そして、タケノコごはん. 接遇役の高橋邦子さんは「おかかは、ごはんに混ぜてから握ったもの」. 両対局者とも、関係者が心を尽くした軽食をとって、午後6時30分からの夜戦に臨む. (佐藤圭司) ■挑戦者の猛攻続く(午後4時) 71手目▲5九銀打まで進んだ. 羽生挑戦者の攻めが続いている. 一時は切れ模様とも言われていたが、敵陣に竜を作り、盛り返してきた様相だ. 行方八段は「挑戦者にさすがの勝負手が出て、完封は免れる展開になりました. ただ、駒得が大きいので、先手がいいことに変わりありません. 後手の2八の竜がどれぐらい活躍するかがポイントです. 終局は夜になるでしょう」と話す. NHKのBSプレミアムでの放送が始まった. 一時は「放送前に終局するのでは」という声も控室で出ていたが、佳境の局面での放送開始となった. (村瀬信也) ■おやつは、いわき市産イチゴ(午後3時) 午後3時、両対局者におやつが運ばれた. 二人とも、「いわき市産イチゴ」だった. 飲み物は森内名人は注文なしで、羽生挑戦者はホットコーヒー. 実は、設営側が用意した選択肢は五つあった. (1)揚げかりんとう饅頭(2)抹茶大福(3)いわき塩チョコレート(4)イチゴのショートケーキ(5)いわき市産イチゴ. いわき市産イチゴは「大粒で糖度が高いのが特徴です」とスパリゾートハワイアンズの古川清さんは誇らしそうに教えてくれた. 別皿でホイップクリームが添えられたけれど、森内名人担当の接遇役の大谷香さんは「クリームなしでも十分甘いですよ」. 羽生挑戦者担当の接遇役の高橋邦子さんは「イチゴにヘタがついたままで可愛いでしょ. 女性に人気なんですよ」と教えてくれた. 接遇役の女性2人が不思議がったのは、おやつ選びの一致. そう言えば、1日目のおやつも、2人ともショートケーキだった. 「ケーキがお好きなのかと思って、今日はチーズケーキも用意して、お勧めもしたんですが、お二人とも苺を所望されました」. ひょっとしたら、両対局者に「地元産のものを」という思いがあったのかもしれない. (佐藤圭司) ■大盤解説会(午後2時30分) 会場では大盤解説会が開かれている. 行方尚史八段と古河彩子女流二段が対局の進行を振り返り、丁寧に説明していた. 約180人の地元ファンが聴き入っていた. 古河女流二段はいわき市の生まれ. 5、6年前から子ども大会の指導などで同市を度々訪れており、地元の将棋ファンと交流がある. 「自分が小学生の時に遊びに来ていた場所で、タイトル戦があるなんて夢のようです」と喜ぶ. 昨年の震災後はしばらく訪れる機会がなく、心配していたという. 「地元のみなさんはどれだけ大変な思いをしているだろうと思っていました. でも、地震の前と同じように大会が開かれ、参加者数も減っていないそうです. 少し安心しました」と話した. ■念仏踊りに込めた思い(午後2時30分) 両対局者には、前夜祭でいわき市から「じゃんがら和紙人形」が贈られた. 地元に今も伝わる「じゃんがら念仏踊り」の様子をかたどった、愛らしい人形だ. 前夜祭では実際に、いわき市の菅波青年会による踊りが披露された. そろいの青い着物に鉢巻きとたすき姿の男女12人が、鉦(かね)と太鼓を打ち鳴らしながら弧を描くように回り、節回しに合わせて時にゆったりと、時に力強く踊る. じゃんがら念仏踊りは江戸時代に始まった. 新盆を迎えた家の供養として、故人へのお供えなどを置く「盆棚」が見える庭先などで奉納された. 踊りは団体ごとに異なるという. 明治初期にいったん禁止されたが、20年ほどで復活. 今も100近い青年会や保存会などの団体が、8月13~15日のお盆の時期に市内各所で踊る. 郷土芸能のイベントに招かれることも多い. 菅波青年会の鈴木暁彦会長(30)は「じゃんがら念仏踊りには、いろんな年齢の人が一つになって達成する喜びがある. 震災でいろいろあっても、がんばっていると全国の人に伝えたい」. 将棋は時々指したり、テレビで見たりしている. 「またぜひ、いわきで名人戦を開いてほしい」(小川雪) ■対局再開(午後1時30分) 昼食休憩が終わり、先に対局室に戻ってきたのは森内名人. ちょうど午後1時半に戻ってきた森内名人に、記録係の伊藤和夫三段が「時間になりました」と声をかけた. 羽生挑戦者が入室したのは午後1時34分. 伊藤三段が「時間になっています」と声をかけると、羽生挑戦者は「あっ… はい」と、いつもの口調で返答. まもなく羽生挑戦者が△7七歩を着手して、2日目午後の戦いが始まった. △7七歩は検討陣が予想していた手だ. 攻めが続くのかどうか. (佐藤圭司) ■両対局者の昼食は… (午後0時30分) 森内名人は松花堂弁当. エビ、キス、シシトウの天ぷら、サワラのしょうゆ焼き、マグロ、平目、ボタンエビの刺し身などがギッシリ詰め込まれていた. 接遇の女性は「弁当のふたを開けた時に、色合いなどを楽しんでもらえたら」と話していた. 羽生挑戦者は海鮮丼. 中トロ、シマアジ、バチマグロ、平目、ボタンエビ、ウニ、イクラの7種がギッシリ. こちらも供される直前に板前さんがていねいに盛りつけていた. 両対局者ともそれぞれの控室で食事をとっている. (佐藤圭司) ■昼食休憩に(午後0時30分) 挑戦者が64手目を考慮中に昼食休憩に入った. 消費時間は名人5時間57分、挑戦者5時間24分. 午後1時30分に再開する. いったん玉を固めた挑戦者が、54手目△7六銀から猛攻撃を開始した. 名人は陣形を乱されたが、駒得に成功している. 控室で検討していた行方尚史八段は「挑戦者が強引に攻め続けようとしていますが、名人の受け切りが濃厚だと思います. 挑戦者はどこかで誤算があったと思います」と言い切る. 検討陣が気づいていない挑戦者の妙手順が出るのだろうか. (村瀬信也) ■「名人戦記念かまぼこ」も(午前11時30分) 対局場の「スパリゾートハワイアンズ」では9日午後1時から、大盤解説会が始まる. 副立会人の島朗九段、行方尚史八段らが終局まで熱戦を解説する. 入場料1千円. 会場の入り口付近には、いわき市PRブースが設けられ、地元の特産品が販売される. 中でも将棋ファンの目を釘付けにしそうなのが「名人戦記念かまぼこ」(500円). 「貴千(きせん)」という地元の老舗の特製品. かまぼこを覆う透明フィルムの上に、両対局者の写真や「最高峰の戦いinいわき」という文字をカラープリントした特製シールが張ってある. 売り子のいわき市臨時職員によると、「表面の色も将棋の駒をイメージしたと聞いています. 本来は1千円で売っている大きさですから、お値打ちです」. 将棋名人戦に対する地元の熱意や期待がひしひしと伝わってくる「かまぼこ」は午後2時まで販売されている. (佐藤圭司) ■プロを目指すいわきの星(午前11時) 控室にいわき市在住の奨励会員、真木野芳紀2級(17)が訪れている. 師匠の佐藤康光王将らが検討している様子を見たり、行方尚史八段に指導を受けたりしていた. 真木野さんは緊張した様子で「タイトル戦の現場に来たのは初めて. プロの先生方がたくさんいるので、勉強になります」と話した. 昨年の東日本大震災はいわき市にも大きな被害をもたらしたが、真木野さんの家は壁がはがれた程度で済んだという. だが、原発事故に伴う放射性物質の飛散を懸念し、一時、家族と共に神奈川県内の親戚に身を寄せた. 現在は地元の高校に通いながら、プロを目指している. 真木野さんは「福島県出身の棋士はほとんどいない. 地元の方々も応援してくれているので、ぜひプロになりたい」と話した. アグ スリッポン (村瀬信也) ■羽生挑戦者、意外な手順(午前10時) 羽生挑戦者は48手目△4九角と打ち込んだが、その後△2二玉~△4二金右と守りを固めた. 控室では予想されていなかった手順だ. 立会人の中村修九段は「羽生さんが一気に攻めるかと思いましたが、玉を固めて待ったのは意外でした. 駒得をした森内さんが指せる気がします」と話した. 挑戦者が工夫の手順を見せないと、苦しくなりそうな状況と言えそうだ. (村瀬信也) ■封じ手は▲8八同金(午前9時すぎ) 森内俊之名人(41)に羽生善治二冠(41)が挑戦している第70期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第3局は9日午前9時すぎ、福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズで再開され、2日目に入った. 森内名人が封じていた47手目は▲8八同金. 予想されていた大本命の手といえる. 羽生挑戦者がどう攻めを継続するかが注目される. 本局は同日夜までに終局する見込み. (佐藤圭司).